ブログ版 フットハットがゆく!
『フットハットがゆく!』はMK新聞連載中のエッセイです


有機生命体として今日もいく。

生命力というのは不思議だなと思います。

以前、過労で片目が見えなくなった時、視力を失ったぶん、なぜか嗅覚が異様に敏感になりまして、トイレから出てきた人が手を洗ったか洗ってないかも、匂いで分かるくらいでした。

視力の回復とともに嗅覚も通常に戻りました。


肺の手術のあと、なぜかやけに味覚が敏感になりまして、高血圧症も伴っていたという事もありますが、とくに塩分に対して異様に敏感になりました。食塩を使っている料理はもちろんのこと、魚に含まれる塩分、野菜に含まれる塩分、甘いお菓子に含まれる塩分、なども感じるようになりました。

もう、海原雄山並みです。

ただその敏感味覚も、時間とともに薄れて行き、今は普通に戻りつつあります。


手術の後から僕はアルコールを飲んでいません。

すると不思議な事に甘いものに手が伸びるようになりました。

お酒を毎日飲んでいた頃は、甘い物なんて見向きもせず、男のくせに甘党はおかまや!とさえ思っていました。

しかし、最近はよく甘い物を食べます。体が欲しています。甘党デビューです。

と思っていた矢先に、虫歯が痛くなって来ました。

という事で甘党は卒業して、普通の男の子に戻ります。


いったいなんやのん?人間の体。

酒を飲めば肝機能障害。
塩分過多で高血圧。
甘いもんで、虫歯。
辛いもんで、ぢ。
食えばメタボ。
食わないと栄養失調。

仏教用語の四苦八苦に、生きる苦しみというのがあるけれど、人間ただ生きているだけでそうとう偉いものだ。

無謀なアンバランスを生命力でバランス取ろうとする、このパワー。


たまには銀河鉄道999の鉄郎みたいに、機械の体が欲しいと思う事もあるけれど。

有機生命体としてのパワーを楽しみながら生きて行きて活きて往きて。いくのだ。


……………
塩見多一郎
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